マンガは戦後に、経済とともに急成長した日本の代表的な産業です。ところが世論では、いまだに「マンガを読むとバカになる」など、偏見は根強いものがあります。
このようなマンガの悪影響論は本当なのでしょうか?
週間少年ジャンプが全盛を極めた1980年代から90年代。特に発行部数653万部で日本雑誌の史上最高部数を記録した95年に小中学生だった子どもたちは、いまや立派な大人になって、しっかりと日本の経済を支えています。
そういえば以前、某テレビ番組で面白い検証をしていました。「アニメを観る」「漫画を読む」「小説を読む」の3つの機会に分けて脳波を計測するというもの。
結果は何と、一番脳が活性化したのは「漫画を読む」でした。
また、私の大好きな作家でもある養老孟司さんの著書『マンガをもっと読みなさい』でも、マンガは脳の視覚野と聴覚野両方を活性化させると、その有効性について述べられています。
このように、マンガを読むとバカになるという考えは偏見でしかなかったのです。おそらく、マンガばかり読んでいたら勉強が疎かになるという親から子への戒めなのでしょう。
マンガは実に優れた表現方法です。
以前、某元首相がマンガばかり読んでいるから漢字が読めないなんて指摘を受けていましたが、それは個人的な勉強不足としか言いようがありません。
マンガは難しいことを分かりやすく表現でき、そして読者については理解と記憶を促進してくれる効果があります。最近では、そのような特性を活かしたマンガ学習本も数多く発売されるようになりました。
そのメカニズムは、絵とセリフそして効果音、そしてコマという紙面を分割した構成によって、リズムよく少しづつ、順を追って無理なく情報を伝達できるところにあります。そして表現される絵は、具体的でかつ映像や絵画よりも記号的であることから、イメージが伝わりやすいという訳です。しかも、セリフの一部や書き文字、擬音の効果文字などは頭の中で聴覚野が働きます。言語、視覚、聴覚などをフルに活性化させてマンガに集中する。
そう、本当はマンガを読めば、頭が良くなるはずなのです!
<コラム第1話>
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